実は私自身が偏食で好き嫌いの多い子供でした。食事の度に両親や当時同居していた祖母から「一口でいいから野菜を食べなさい」と言われていました。つまらない意地の張り合いをしたこともあります。

学校給食も完食したことはほとんどありませんでした。当時の通信簿に「給食をきちんと食べるように頑張りましょう」と書かれたことも一度や二度ではありません。でも、嫌いな食べ物は、どうしても嫌いなのです。

ですので、私が子供達の食事について重要視しているのは「食卓が楽しい場であること」です。好き嫌いはある程度許容します。個々の皿に乗せる量も一口くらいにします。多目に乗せないようにします。また、その日の食材で「顔」を作ることもあります。

子供達があまり喜ばない「茹でたインゲン豆」を眉毛にして、「僕は眉毛。食べて~、食べて~」とふざけた声を出すと、子供達も笑いながら口にしてくれます。内心ガッツポーズです。子供達が苦手な野菜を口にした時にも大げさに喜びますと、子供達は少し得意になってくれます。

子供達に知ってもらいたいことは「食べることは楽しいこと」ということです。まずこれありきです。昔と違い、今はいろいろな形でいろいろな種類の栄養を取り込めることが出来るので、無理強いする必要はないと思っています。

大人が食べてもあまり感じない味の濃さ

子供の食事で気をつけていることは、味付けです。味付けの濃さと、バラエティをつけることの2点を気にかけています。まず味の濃さですが、子供の味に対する感覚は、想像以上に敏感でした。

ちょっと塩を振りすぎたかなと思っていたら、「今日はちょっとしょっぱいな。」「辛くて食べられないよ。」という感想が必ずありました。

大人が食べてもあまり感じない味の濃さを、子供はちゃんとわかるみたいです。それに塩加減は辛さと感じるようで、とても食べづらそうでした。ほんのちょっとのことなんですけれどね、びっくりしました。そして味のバラエティです。

うちは和食派ということもあって、なんでも醤油味で済ませていたのですが、ある日ケチャップ味のものをとても嫌がっていることに気がつきました。そういえばうちはあまりケチャップを使っていなかったなと思い至りました。

それに酸味のあるものを苦手にしているようにも感じました。確かにケチャップ味には酸味もあります。そこで、料理の基本、さしすせその砂糖、塩、酢、醤油、味噌のほか、先ほどのケチャップなどを使う頻度とバランスに気を配るようにしてみました。

すると、子供が受け入れる味のバラエティもとても広がるようになり、初めて食べるものでも積極的に試してみるようになりました。作る方は料理のレパートリーも増え、食べる方は食に前向きな関心を持つようになりいいことづくしでした。